1階柱と2階柱と梁を金物で固定した方法。通し柱は必要なのか?

ホールダウン金物 18坪の家作り

木造2階建てでも、通し柱は無くても大丈夫?

独学セルフビルドで設計から棟上げまで、1人で18坪の家作りやってます

半2階建ての高さで設計して、
柱の長さを、

  • 1階柱長さ 2.2メートル
  • 2階柱長さ(高いところで) 2メートル

と、設計しました。

通し柱を採用しなかった理由

4メートルを越える木材は、値段が跳ね上がる

木造の家作りで使われる規格材、
13尺(4メートル)までは安価に手に入るけれど、
4メートルを越えるとグッと値段が上がる。

おさかな
おさかな

そもそも、お金がたくさんあるなら、誰かに建ててもらっているぞ・・・。

1人で作業するのに、長い・重い材料を扱いたくない

1人作業のセルフビルドなので、
施工のしやすさを重視して設計しました。

おさかな
おさかな

4寸×7寸角の梁材(3メートル)でも、
重すぎて心が折れる・・・。

通し柱に梁を胴差し加工(墨付け・手刻み)することが技術的に出来ない

通し柱にして設計すると、
2階の梁材を、
通し柱に引っ掛けなければいけない。

胴差し加工と言って、
柱を切り欠いてほぞ加工を作り、
梁を差し込んで組み合わせる。

おさかな
おさかな

梁の腰掛け部分って、1.5cm程度なの?!落ちないの?!

全くの素人大工の手刻みでは、
梁の胴差し加工は無謀すぎると判断しました。

柱勝ちの通し柱ではなく、梁勝ちにして2階にも柱を立てる

1階は1階の柱、
2階は2階の柱として立て、

柱の強度よりも、
梁の強度が強くなるように設計しました。

おさかな
おさかな

桁・柱をまたいで梁を乗せるだけ、絶対落ちないシンプル設計

現代の木造建築の作り方だと、通し柱にする方が構造強度は弱くなる

通し柱が強かったのは、大黒柱として太い材を使っていたから

今の時代は、
家作りに使う木材の厚みは、
3.5寸材(10.5cm)か4寸材(12cm)が主流。

昔の家作りで使われていた、
太い大黒柱であれば、

桁・梁を差し込むために、
柱を切り欠いたところで、
構造強度に影響は無かったのだろうけど、

4寸材を多方向から切り欠いてしまうと、
ひょろひょろの弱い通し柱になってしまう。

通し柱の断面欠損により、地震により柱が折れてしまう

断面欠損割合が大きくなると、
柱の耐震強度がほとんど無くなってしまう。

実際、
阪神大震災、中越地震、能登半島地震などで、
多くの家屋の通し柱が胴差し加工個所で折れている事例がある。

おさかな
おさかな

折れてしまったら、通し柱の意味が無いぞ。
木材を刻むと強度が弱くなるので、
なるべく刻みたくない・・・。

建築基準法施行令から判断する、通し柱の必要性

第3章 構造強度 第3節 木造 第43条 柱の小径

階数が2以上の建築物におけるすみ柱又はこれに準ずる柱は、通し柱としなければならない。
ただし、接合部を通し柱と同等以上の耐力を有するように補強した場合においては、この限りでない。

金物で補強すれば、
通し柱は無くても建築基準を満たすと定められいる。

それにしても、
最初の一文は、「〜しなければならない。」
と断定しているのに、
次の文で、「この限りではない。」と書かれていて、
まどろっこしい。

おさかな
おさかな

法律や条文って、
わざとわかりにくく書いているように感じてしまう・・・。

「A、または、Bとすること。」
で、いいと思うんだけどなあ。

1階の柱と2階柱と梁をホールダウン金物(HD金物)で固定して補強する

通し柱にせず、
梁勝ちに構造を組んでいるので、
横架材(梁・桁)の引き抜き耐力は強い。

おさかな
おさかな

2階の柱さえ垂直方向に抜けないように補強すれば、
構造強度は大丈夫。

ドリルで梁を貫通させるは意外と難しい

ロングドリルビットを使って、
ボルトが通る穴を開ける。

傾けて穴を開けてしまうと、
ホールダウン金物の穴に、
ボルトが入らなくなってしまうので慎重に。

ホールダウン金物は強い引き抜き耐力を持っているけれど

ホールダウン金物が取り付く柱を、
大壁仕上げにして、
壁の中に隠してしまう設計にしないと、

建築金物がとても目立ってしまい、
木の雰囲気を壊してしまう。

おさかな
おさかな

意匠・デザインは二の次、、、
セルフビルドは、構造強度が一番・・・。

金物を使わずに、木の込み栓で、柱の抜けを防ぐ方法

伝統工法、通し貫の長ほぞ差し込み栓打ち

柱と梁を貫にして、
木の栓(木の杭)を作って、
垂直方向の引き抜き耐力を作る。

おさかな
おさかな

いつか金物を使わない家作りがしたいなあ・・・。

やぎおくん
こだわり職人

いつかは永遠にやって来ないぞ!いつかは、今しかない!

ホールダウン金物で柱の引き抜きを完全に防ぐ

25kN(ざっくり250kg)の引抜耐力、
N値4.8、告示記号(り)に対応している。

筋交いをたすき掛けに入れたり、
合板でガッチリ固めたりした軸組の箇所で使う。

強い引き抜き力が掛かる箇所で無ければ、
使わなくても(計算上は)大丈夫。

おさかな
おさかな

構造強度に不安を残したくなかったので、
安全を買って必要以上に入れましたよ。

おさかな
おさかな

素人大工仕事は、とにかく強度が不安・・・。
金物をしっかりと入れています。

めじなくん
地元の大工さん

家はそうそう飛ばされないから大丈夫だぞー。

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セルフビルドの家作り、1人で棟上げって出来るの? 刻み終えた材から、 組み合わせて棟上げしています。 おさかな ちゃんと組み合わさって、家の構造が出来上がるのか不安過ぎる・・・。 初めての作業で...
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